研修日誌

【12月10日(日)開催】 認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編
テーマ「レビー小体型認知症の基礎知識と対応方法」

ZOOMミーティングを活用しまして、12月10日(日)9:30~13:00
「認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編」をオンラインで開催いたしました。

【内容】
9:30~9:45講義「認知症の基礎知識:薬物療法のポイント」
9:45~10:05講義「症例説明」
10:05~11:35ワークショップ(グループワーク)
「レビー小体型認知症の基礎知識と対応方法」
11:35~13:00グループ発表・総括

参加者①

■グループワーク中のスライド画面(内容は加工しております)
グループワーク中のスライド画面

感想

今回のワークショップは、まず全体で認知症患者の症例の説明を受けた後、1チーム3~4人(ファシリテーター除く)で、計8チームによるグループワークを行いました。グループワークでは症例に対し課題を抽出し、解決策を導き出していきました。その後、全8チームが各チームでまとめたものを発表する形でした。
今回、ワークショップが初受講の人もおり、また、オンライン開催だったこともあり、最初は進め方を模索しているような状況でした。しかし、ファシリテーターのアシストにより活発なディスカッションへ発展させることができました。
グループワークは90分という長い時間のように感じましたが、症例の課題を抽出し解決策を導き出すには短い時間でした。グループでディスカッションをすることにより、自分では気付けなかった視点からも症例をみることができ、薬剤師としてできることがこんなにもあったのかと目が覚める思いでした。
思いつく限りの課題と解決策をまとめ、グループとして発表しましたが、各グループ発表ではまた異なった視点からの課題と解決策が提示され、薬剤師が介入できる機会はさらに多くなると実感できました。
オンラインでも対面に劣らない深いディスカッションや意見交換ができ、また、物理的な負担も少なく、非常に有意義なワークショップでした。
今回のワークショップを実際の業務に活かしていきたいと思います。

【12月10日(日)開催】 認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編
テーマ「レビー小体型認知症の基礎知識と対応方法」

参加者②

■ワークショップ中の様子
ワークショップ中の様子

■グループワーク中のスライド画面(内容は加工しております)
グループワーク中のスライド画面

感想

8つのグループに分かれ、症例をもとに問題点を抽出し、検討を行いました。
各グループ大きく3つの主軸を決め、90分のグループディスカッション後、発表を行いました。
3グループでは、認知症と診断され治療を開始した患者の服用薬について「服用薬の妥当性」、不安を抱えている患者家族の「病識と薬識の不足」、患者を取り巻く環境について「生活(食事と転倒)や家族の介護負担増大」の3つを主軸にしました。
「服用薬の妥当性」では、まずは認知症治療を優先し、治療効果を評価した後に、他服用中薬剤の妥当性の検討に移行すべきであると考えました。
「病識と薬識の不足」では、患者家族の認知症に対する不安が症例から見受けられたので、病識と薬識を満たすことで、患者家族の不安を軽減できると考えました。
「生活(食事と転倒)や家族の介護負担増大」では、認知症の進行により転倒リスクや患者家族の介護負担が増えることが予想できたので、多職種で連携し、患者をサポートできる体制を整える必要があると考えました。
各グループ発表を終え、様々な意見がみられ、各グループで有意義な議論が行われたと感じました。
研修を終え、今後問題点を検討していく際は、「病態」を捉え、「症状」を把握し、それをもとに「治療」を行っていくことを意識する必要があると学びました。

■グループワーク中のスライド画面(事務局撮影)
グループワーク中のスライド画面(事務局撮影)


【10月8日開催】 認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修

ファシリテーター

2023年10月8日(日)、第17回日本薬局学会学術総会に併せて認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修を開催しました。「認知症基本法」成立を受け、認知症領域における薬剤師の貢献度を広げること、新型コロナの影響を受けた認定者に対して認定更新を確実に実施することを目的としております。

研修の様子

開催日時:10月8日(日) 14:00-17:00
場所:名古屋国際会議場
参加者:認知症研修認定薬剤師 全38名

●特別公演(14:00-15:00)
演者:名鉄病院認知症疾患医療センター部長 宮尾眞一先生
・認知症の診断・病態について
・薬剤師に求められること
・レケンビについて

●グループワーク(15:00-17:00)
テーマ:
①認知症告知について
②認知症受診拒否の本人、家族について

1チーム4人~5人の班に分かれて、グループワークを行いました。
テーマに関して各自が挙げた問題から、班として深掘りをするものを決め、解決策を模索しました。その内容をワールドワイドカフェ形式で他の班に共有し、ブラッシュアップをしながら、参加者全体へ発表しました。
「認知症の告知」については、本人の意思を尊重しながらどのように認知症治療を進めていくかが議論の中心になりました。告知にあたりハードルとなっているものは何か、告知後に過度な不安にさせないために薬剤師がどのような事ができるか等、様々な視点で議論が行われました。
「認知症受診拒否の本人、家族について」は、当事者の意見を尊重しつつ重症化予防を目指す中で、薬剤師がどのように介入できるかが議論の中心となりました。受診拒否の背景にある病識の欠如や認知症に対する偏見を、地域や介護者への働きかけで改善できないか等、様々なディスカッションが行われました。
集合形式での開催であり、参加者同士が対面で話し合うことで日頃の認知症対応で感じる悩みや課題も共有でき、活発な意見交換がなされました。社会的に認知症ケアが求められる中、参加者が今回の知見を活かし、各地域の患者・家族を救うため活躍頂くことを願っています。

【10月8日開催】 認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修
■テーマ①認知症告知について

参加者①

研修の様子

感想

今回グループ6では『認知症を告知する』というテーマで話し合いました。考え方としては、告知をするにあたっての問題点がどこにあるのか→その問題の原因となっていることは何か→どのような解決策があるのか を軸にしています。
まず、各自で問題点について意見を出し合います。「告知をしたらどうなるのか。どう感じるのか。」本人だけでなく家族のリアクションについても可能性を書き出しました。次に、「なぜ、そう思うのか、その考え方を変えるにはどのような解決策があるのか。」につなげていきました。いろいろと考える中で、「こんなケースもあるよね」「こんなことも起きているかも」というように肉付けをしていきます。新しい観点を見つけるために別グループでも話し合いを行ったあと、持ち帰ってまとめました。結論は以下3点となりました。
「患者本人や家族に正しい知識を供与する」
「受け入れ易い人に告知をしてもらう」
「利用できるサービスをわかりやすく見える化し、多職種が連携してサポートする」
今後、高齢化社会が急激に進む中、地域で多職種が協力し合って患者をサポートすることが本人、家族にとっても地域にとっても良い結果につながるだろうという意見で一致しています。その一端を担うことも私たち認知症認定薬剤師の務めであることを再確認しました。

【10月8日開催】 認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修
■テーマ②認知症受診拒否の本人、家族について

参加者②

研修の様子

感想

1グループでは事前に考えてきた問題点を各々挙げてもらい、それを本人・家族・地域・専門職の4つにカテゴリー分けを行った。
分類分けしていくと付箋の数に偏りが出たが、分類の枠を超えて共通する問題点および重要な点にフォーカスして問題点を選定した。
選定した問題点は「本人:先の見えない不安」、「家族:病識欠如」、「専門職:知識・対応力」の3つ。いずれも認知症に対して正しい理解をしていない事が原因と考えた。
解決策として、それぞれの立場の人に適した時間・内容での情報提供(勉強会、カフェ、講演、書面、広報、ラジオ、SNSなど)を行う事が挙げられたが、実行するためにはまだ課題は多い部分もあるという結論に至った。
グループ内で良い意見がたくさん出たが、自身の力不足のため解決策まできれいにまとめきれなかった点は反省し、次回に活かしていきたい。
今回研修全体では二つの課題に対して話し合った。両課題にて共通している問題は認知症に対する理解や正しい情報提供が不足している点であると痛感した。資格を持つ立場の薬剤師として今後も認知症の理解や情報提供など啓蒙活動を各地域で実施していこうとより強く感じる事の出来た研修となった。